Taiga Drama 2005 
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#13 源氏の決起
今週は引きが上手かったせいか、ここ2週くらいの退屈さを吹き飛ばすくらい面白く感じた。
でもやっぱり脚本は雑。はっきりいって12話の不満がまだ引きずってます。

・アバンタイトル
 新宮十郎義盛
 前回、僅かな時間の登場でありながら既に「香ばしい人」と認識されるあたり、なかなか。
 ところで志田義広って、今後出てくるんですか?

・名馬:木下(このした)
 平家物語では、この馬は源仲綱がまだ身分が低かった頃に故重盛にもらった馬で、
 それを感激して宝物にしている仲綱うぜぇ!と宗盛がいじめたという設定ではなかったかと思う。
 ところで、出家が平氏への忠告って何それ?

・平家はだんだん諸行無常を感じられる展開になって参りました。
 宗盛は名馬木下を手に入れた!
 なんだか、ただ嫌がらせで強奪したようにも見えなくも無い。さすがは宗盛!(笑)
 それを見に来た公家も「こいつなんちゅー事するねん」と思いつつも宗盛の機嫌も損ねたくないからか
 笑いが引きつっていた…。
 ところで日本ではオープニングクレジットあたりで「馬を虐待していません」とテロップを出さないで良いんでしょうか?

「もう一花!咲かせて見せようか!」(雷鳴)<たぶんそう言っていると思う。
 (丹波さん。年のせいか、滑舌が悪くて聞き取れませぬ)
 カッコイイ!でも、ちょっとまて。頼政さんの謀反の理由が良くわかんないんですが…
 前回「驕る平家」というタイトルの回で全然驕って無かった事と、
 治承のクーデターをナレーションで流したのがそもそもの失敗だったのでは…

 <前回分の歴史のおさらい>
 ナレーションでスルーされた盛子さんという、清盛の娘がいましたね?
 彼女は摂関家の領土を相続していたので、実は平家の中で一番知行国を多く持っていました。
 それにこの時点で平家の棟梁だった重盛(清盛は隠居している)の二人がほぼ同時に死ぬと
 雅ちゃんこと後白河法皇はチャンス到来とばかりに二人の遺領を取り上げました。
 平家の領土は大幅に勢力を削減され、これに怒った隠居の清盛はクーデターを起こしました。
 鹿ケ谷の時には雅ちゃんに手出しできなかったのに、今回は鳥羽殿
 (注:劇中では“とばでん"と呼んでましたが“とばどの”が正しい)
 に押し込められたのは、安徳天皇が生まれていたから。
 もう雅ちゃんの力添え無しに清ちゃんは朝廷を牛耳れるのです。
 これを治承のクーデターと呼びます。高校で習いましたね?
 この時、アンチ平家の公卿が大量に処分されましたが、
 平家は浮いた官位にほとんど手をつけられませんでした。
 これは平家は高棟流の平時忠を除いて武家なので、官位だけあっても
 公家の実務を遂行できる人がいなかったのです。
 しかし、代わりに、知行国を大量にゲットしました。
 とにかくこのクーデターで地方の勢力図が変わってしまいました。
 ドラマでは伊豆守は源仲綱という事になってますが、このクーデターにより平時忠に変わってしまったのです!

 <歴史のおさらい・ここまで>

 つまり、謀反の理由は馬だけでなく、
 知行国を取られた事も大きいと思われるのに、完全にスルー!

 まあ、ドラマなんだから面白く嘘をついてくれればそれでも良いんですが、
 殿下乗合、鹿ケ谷、治承のクーデターと重要事件を3つともナレーションで流してきたおかげで
 平家側の行動理由が訳わかんないし、その平家に反感を持つ人の行動理由も訳わかんない。

・そこで新宮十郎義盛の出番ですよ!
 ちゃっかり官位をねだる新宮十郎義盛。
 しかも、まるで社外秘の書類をキャバクラ嬢に見せびらかす、ダメサラリーマンのような
 DQNのおかげで平家にバレる事になるのだった…
 宗盛といい行家といい、DQNって演じていて楽しそうだ。

・丹後局、オマエ怖すぎ!
 雅ちゃんこと後白河法皇の傍に仕えるのは、丹後局こと高階栄子!
 ある意味、このドラマのヒロインのはずなのだが…妖怪変化にしか見えないビジュアル。
 まさに妖怪カップルだ!
 彼女の夫、平業房も、承のクーデターで殺された一人なので、あまり清盛に良い感情はもってないだろう。
 このビジュアルをみると美輪明宏、また出てこないかな?と思ったりする。

・頼朝と「平家追討メーリングリスト」をばらまく新宮十郎義盛改め源行家
 さすがは頼朝!
 こんな胡散臭いのをまともに相手にせずに、「この地より、早々にお引取り願わしゅう」。
 これって「荒らしは放置」という事ですな。
 いままで政子のストーカーぶりがウザかったけど、こうして政治に関わるようになると、さすがに後の尼将軍。
 頼もしいですな。
 もう天下をとった気でいる政子の父、北条時政は、鎌倉のコント要員ですか?
 この後なんと行家は奥州までも行っちゃうんですよ!
 行家といい、うつぼといい、なんで奥州までそんなに簡単にいけるんですかッ!
 どこでもドアでももってるんですかッ!!
 (史実では義経は令旨を受け取ってません。そんなにアッサリ奥州まで行ける訳ありません)

・巴と木曽義仲
 義仲が都に拘る理由ははっきりしていて(・∀・)イイ!!
 どっかの主人公と違って、源氏の中で一番行動がわかりやすい。
 つーか、歴史の流れ的にはまだ義経は要らないんだよね。

・とりあえず、不穏を知った平家
 行家の軽率さのおかげで、令旨の事を知った平家の皆さん。
 重盛がいなくなっただけで迫力不足というか、なんか物足りないというか、大人しくなったと言うか。
 そのおかげで、全体のバランスが良くなっている気がするのも、なんとも皮肉。
 鬼になったはずの清ちゃんこと相国入道清盛はなんかパワーダウンしていて×。
 結局、渡哲也の演技も勝村が隣にいての事だったのかなぁ…。
 そういえば、なんで清ちゃんが京都にいるのよ!あんた福原にいるはずだろ!
 とりあえず、平家は検非違使に以仁王を捕らえる命を出すが…

・がんばれ丹波さん!
 そんな平家の行動は、検非違使である仲綱の弟によって頼政には筒抜け。
 その事に気が付いた平家も、知盛を頼政の元に使わす。
 このあたり、源平双方どちらもエラー続きで締まらないなぁ。
 あれ?屋敷燃えてるよ!
 炎をバックにした源頼政が、
 まるで霊界からの使者の如く不敵にニヤリ
 (いや、ある意味そうなんだが)

 その瞬間、ハンス・ジマー風にケレンみたっぷりの音楽がッ!
 良い!最高にカッコイイ!!激しくカコ(・∀・)イイ!!!
 はぁ…小松の旦那の最期もこのくらいカッコよく締めて欲しかった…。

・平宗盛、また集中砲火を浴びる (ジマー風音楽継続中)
 頼政謀反の報に、一同やっぱり宗盛を見る(笑)
 「仲綱の例の馬の事では?」「兄上のあの仕打ちが、恨みを買うたのかもしれませんぞッ!」
 と弟達から集中砲火!
 「そ、その方ら。私のせいだと申すのか!」にワロタ。
 ドラマ的にはアンタのせい、という事で行くらしいよ。
 宗盛はアフォだが、この役は激しく美味しいなぁ。
 小松の旦那が逝って、宗盛が目立つだけで、これほど平家に「もうだめぽ」感が漂う事になるなんて、
 平家で一番美味しい役は宗盛かもしれない(笑)
 やっぱり平家の未来は平影清が現れて源氏を滅ぼしてくれないとダメかもしれない。(知っている人だけ笑ってくれ)

・清盛と違って、貫禄がある藤原秀衡
 「都の動きに惑わされてはならぬ。
 法皇様を侮ってはならぬ。
 清盛入道を…見縊ってはならぬ。」

 うん、貫禄だなぁ。

・そしてラストの源氏の皆さん
 大音量でジマー風リズムの太鼓が鳴り響き、頼朝、義仲、義経とカットが切り替わって締め。
 ハリウッド映画のトレイラーのようにカコ(・∀・)イイ!!
 今回も突っ込みだらけだったけど、ラストがカッコよかったので、それなりに楽しめた。

・次回予告
 平家の方は怒ったときに扇子で柱をピシピシたたくんですね。
 良かったな、宗盛。君はやっぱり平家の人間だよ。
 そういう所しか父や兄に似なかったのはアレだが(笑)

・義経紀行
 あのソプラノ独唱好きだったのに…


感想
 丹波さん、とにかくGJ!
 とにかく今日のMVPはこれ!


 脚本には、相変わらず突っ込みたい点が多々あるが、2クール目に入って平家は悪役っぽくなり、
 源氏は濃ゆいキャラクターを発揮しはじめ、奥州組は静観しつつ押さえるところは抑える
 と、バランスが良くなり先週までとはまるで別のドラマになってきた。

 第1クールのバランスが悪かった最大の理由は、序盤の要となるべき平清盛が予想外に弱かった事によると思う。
 原作では清盛が主人公だったのを、無理矢理義経を主人公に変えた事、
 清盛=温和、重盛=過激という平家物語とは正反対の解釈を入れてみたものの、
 渡哲也の体調不良(体調が良くても変わらないかもしれないが…)と、勝村政信の予想外の(ごめんなさい)好演等により、
 清盛が重盛の傀儡のように見えるくらい、完全にピンボケになってしまっていた。
 まあ毎回、清盛の予想の斜め上を行く天然ボケと、重盛の献身的かつバイオレントなツッコミ
 大ちゃんスレ(山下大輔楽天ヘッドコーチ)を連想させられる楽しい展開ではありましたが…。
 個人的には勝村重盛がいなくなって、清盛に敵役としての焦点が定まった事で
 バランスが良くなったのは皮肉な話だなぁ…オープニングクレジット的にも(笑)

 二つ目は、まだ歴史の表舞台には出てこない義経の逸話捏造が下手で、脚本的に主人公としての魅力に欠ける事。
 そもそもなんで奥州まで行こうと思ったのか、の行動原理が不明。
 私には、悪徳商人(笑)吉次に騙されて行った様にしか見えなかった。
 また、アバンタイトルで京→奥州が危険な冒険だったと説明したのなら
 その冒険物語こそ創造すれば2、3話はもったのに、あっさり付いてしまい
 女性であるうつぼが吉次に道を教わっただけで、単身で簡単に行き来できたりと、もう無茶苦茶。
 この時代に越後までピクニックに行かないで欲しかった…
 なお、タッキーは所作はきれいだし、頑張りが伝わってくるので、暖かく見守ってあげようと思う。

 三つ目は歴史的重大事件をナレーションで流してしまった事により、キャラクターの行動理由が曖昧にされた事。
 今回の源頼政の謀反がいい例。

 こんな感じで、歴史の隙間を埋める物語の創造がヘタレだったのだが、
 以仁王の乱以降はある程度話は決まってくるので、変な捏造の余地がなくなり
 バランスが良くなったんだろうと思っている。

 今回、音楽の使い方がカッコよかった。サントラ買っちゃおうかな。

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