Chapter 4 Let us cling together (A Side) 
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Chapter-4


 手を取り合って 
A SIDE




フィダック城陥落に関する知らせは瞬く間に広がり、多くのバクラム人を驚愕させた。
敵軍の指導者がわずか16歳の若者であったことや、
司祭ブランタが信用するに足らない男であったこと、
無敵のはずの暗黒騎士団が敗退したこともそうだが
何よりもドルガルア王の娘が生きていたことにある。
人々は永く続く戦乱の世に疲れ果てており、民を導く正統の統治者を渇望していた。
カチュアの出現は救世主の再来に他ならなかった。
ランスロット・タルタロスはローディスの代表としてカチュアをヴァレリアの正式な王位継承者と
認め、後継者争いに端を発した内戦の終結を宣言した。
ランスロットはこうした行為によって、これまでの争いを民族やイデオロギーの対立ではなく
権力を欲したエゴイスト達の反乱と位置づけ、世界的な立場から内戦自体を否定したのである。
しかし、こうした主張を受け入れ、支持したのは一部の特権階級と財をなした富裕層のみで、
各地に広がっている反バクラム主義を封じ込めるだけの力はなかった。
ヴァレリア戦乱は、もはや民族紛争などではなく支配する側とされる側の対立、
言い換えるなら束縛を逃れ自由を得るための戦いとその姿を変えていたのである・・・。

<MAP>

This side
(ハイム城)(フィダック城)バハンナ高原ブリガンテス城ヘドン山バンハムーバの神殿(ハイム城)

from "B side"
フィダック城→ランベスの丘→バーニシア城→(フィダック城)→ヨルオムザ峡谷→ウェアラムの町→ハイム城→空中庭園

Byways
クァドリガ砦の海賊(Nルートのみ) ・ 港町ゴリアテ(Lルートのみ) ・ 悲しみのシェリーベルモルーゼ台地(Lルートのみ) ・ 禁呪捜索沈没船ラムンゼン号の引き上げハボリムの正体 ・ ボルダー砂漠 ・ デネブ・見舞いに行く死者の宮殿
 ◆二人のランスロット

古都ライムでの敗戦以後、行方不明だったゼノビアの聖騎士ランスロットはハイム城の地下深くに
囚われていた。
拷問でやつれた聖騎士の前に、ロスローリアンの団長、暗黒騎士ランスロットが姿を現した。


暗黒騎士ランスロット
「ふむ・・・。生きているのが不思議なほどだな・・・。下がれ!

場外の声
『また暴動が発・・・・・・・・・中隊は・・・通りへ急げ・・・。』

暗黒騎士ランスロット
「聞こえるか?ゼノビアの聖騎士よ。

聖騎士ランスロット
「・・・貴公らが敗れるのも時間の問題だな。

暗黒騎士ランスロット
「我がローディスにとってヴァレリアの覇権など些細な問題にすぎん。
 それを知らぬわけではあるまい?

聖騎士ランスロット
「・・・・・・・・・。

場外の声
『だめだ、ロスローリ・・・援護を要請するんだ・・・。我々だけでは・・・動を抑え・・・きない・・・。』

聖騎士ランスロット
「・・・日増しに高まる民衆の不満を抑えきれないようだな・・・?

暗黒騎士ランスロット
「所詮、バクラム人は我々とは違い劣等民族だからな。彼らには少々荷が重すぎたということだ。

聖騎士ランスロット
「力で人を縛り付ける、そうしたローディスのやり方に問題がある、・・・そうは思わないのか?

暗黒騎士ランスロット
「縛り付けた覚えなどないな。彼らは力で支配されることを望んだのだ。

聖騎士ランスロット
「望んだだと?

暗黒騎士ランスロット
「そうだ。・・・世の中を見渡してみろ。どれだけの人間が自分だけの判断で物事を成し遂げるというのだ?自らの手を汚し、リスクを背負い、そして自分の足だけで歩いていく・・・。
 そんな奴がどれだけこの世の中にいるというのだ?

聖騎士ランスロット
「・・・・・・・・・。

暗黒騎士ランスロット
「・・・貴公らの革命を思い出してみよ。貴公らが血を流し、命を懸けて守った民はどうだ?
 自分の身を安全な場所におきながら勝手なことばかり言っていたのではないのか?

聖騎士ランスロット
「彼らは自分の生活を維持するだけで精一杯だったのだ・・・。

暗黒騎士ランスロット
「いや、違う。被害者でいるほうが楽なのだ。弱者だから不平を言うのではない。
 不満をこぼしたいからこそ弱者の立場に身を置くのだ。彼らは望んで『弱者』になるのだよ。

聖騎士ランスロット
「ばかな・・・。人には自分の人生を決定する権利がある。自由があるのだ!

暗黒騎士ランスロット
「わからぬか!本当の自由とは誰かに与えてもらうものではない。
 自分で勝ち取るものだ。しかし民は自分以外にそれを求める。
 自分では何もしないくせに権利だけは主張する。
 救世主の登場を今か、今かと待っているくせに、自分がその救世主になろうとはしない。
 それが民だっ!

聖騎士ランスロット
「人はそこまで怠惰な動物じゃない。ただ、我々ほど強くないだけだ。

暗黒騎士ランスロット
「・・・聖騎士よ、貴公は純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはならない。支配者は与えるだけでよい。

聖騎士ランスロット
「何を与えるというのだ?

暗黒騎士ランスロット
「支配されるという特権をだっ!

聖騎士ランスロット
「ばかなことを!

暗黒騎士ランスロット
「人は生まれながらにして深い業を背負った生き物だ。
 幸せという快楽の為に他人を平気で犠牲にする・・・。
 より楽な生活を望み、そのためなら人を殺すことだっていとわない。
 しかし、そうした者でも罪悪感を感じることはできる。彼らは思う・・・、これは自分のせいじゃない。
 世の中のせいだ、と。
 ならば、我々が乱れた世を正そうではないか。秩序ある世界にしてやろう。
 快楽をむさぼることしかできぬ愚民にはふさわしい役目を与えてやろう。
 すべては我々が管理するのだ!

聖騎士ランスロット
「意にそぐわぬものを虐げることが管理なのか!

暗黒騎士ランスロット
「虐げているのではない。
 我々は病におかされたこの世界からその病因を取り除こうとしているにすぎん。
 他組織に影響を及ぼす前に悪質なガン細胞は排除されねばならぬのだ!

聖騎士ランスロット
「身体に自浄作用が備わっているように心にもそれを正そうという働きはある!

暗黒騎士ランスロット
「それを待つというのか?ふふふ・・・貴公は人という動物を信用しすぎている。
 民はより力のある方へ、より安全なほうへ身を寄せるものだ。
 そのためなら愛するものを裏切ることもできる・・・。カチュア!

聖騎士ランスロット
「カ、カチュア・・・!なぜ、君がここに・・・?

暗黒騎士ランスロット
「紹介しよう、聖騎士殿。彼女こそドルガルア王の忘れ形見にしてヴァレリアの正統の後継者、
 ベルサリア王女だ!!

聖騎士ランスロット
「!!

暗黒騎士ランスロット
「貴公の指摘したとおり、バクラムはもうおしまいだ。
 しかし、彼女が我が手の内にある限りヴァレリアの民はローディスの下僕となろう。

聖騎士ランスロット
「カチュア・・・、君は・・・、いったい?

カチュア
「私はデニムを愛していたわ。たった一人の弟だもの。当然よね。
 でも弟じゃなかった・・・。そして、私を見捨てた・・・。手に入らないのなら、いっそ・・・。

聖騎士ランスロット
「カチュア!!

暗黒騎士ランスロット
「私の片目を奪った男と別れるのは惜しいが、これ以上、敗北者を痛めつけるつもりはないのでね。
 失礼させてもらうよ。

聖騎士ランスロット
「ま、待てっ!!

暗黒騎士ランスロット
「さらばだ、ゼノビアの聖騎士よ。



 ◆解放軍の指導者

 ヴァレリア島の南半分を支配下に置いた解放軍のリーダー、デニムはフィダック城にいた。
王都ハイムへ潜入していた『影』と呼ばれる密偵がフィダック城に戻ってきた。



「・・・先日の式典以来、王女はそのお姿を見せておりませぬ。
 所在地についてはバクラム軍の幹部すら知らされておらず、司祭も密偵を放ち探らせていた様子です。
 王女は暗黒騎士団と行動を共にしているのではないかと思われますが・・・。

デニム
「・・・ブランタとタルタロスの関係は旨くいっていないということか。それで暗黒騎士団の動きは?


「暗黒騎士の多くはハイムに駐留しておりますが、タルタロスを初めとするコマンド級の暗黒騎士達の姿を確認することはできませんでした。

デニム
「バクラム軍が我々に対して行動を起こさないのはそのせいか・・・。
 奴等は何を企んでいるのだろう・・・?


「・・・かねてよりご命令にありましたゼノビアの聖騎士殿のことですが・・・。

デニム
「何か、わかったのか!?


「食事番のものを締め上げて白状させたのですが、どうやら聖騎士殿はハイム城の地下牢に捕らわれているご様子です。

デニム
「生きておいでなのだな!


「残念ながら、バクラム兵でさえも近寄れぬ警備区域でして、そのお姿を確認するまでには至りませんでした。

デニム
「わかった・・・。ご苦労だったな。ゆっくりと休むといい。


「はっ。

デニム
「姉さん・・・。

側近
「閣下。ハイムへ進軍を開始すべきではございませんか?

デニム
「それはできない・・・。暗黒騎士団の狙いを確認せずに戦いを仕掛けるのはあ まりに軽率だ。

側近
「しかし、時をおけばおくほど戦うことができなくなりますぞ。
 ベルサリア王女に従おうとする気運が高まっていることをお忘れなのですか?
 ドルガルア王の一族とは剣を交えたくないという兵も出始めているのですぞ!

デニム
「わかっている。だからこそ安易に攻めることはできないんだ!

兵士
「報告いたします。

デニム
「なんだ?

兵士
「ブリガンテス城の兵士らが人質を取り城内に立て篭もりました!!

側近
「なんじゃと!?

デニム
「彼らの要求は何だ?

兵士
「はっ。バクラム軍への降伏です!

側近
「何と愚かなっ!これまでの戦いをなんとするっ!?

デニム
「フィラーハ教団の横やりだな・・・。大方、フィラーハ教の信者が兵士の中にいるのだろう。

側近
「王女の出現以来、奴等の勢力は日増しに広がっていますからな。

デニム
「仕方のないことだ。姉さ・・・、王女の出現はこの戦乱につかれた人々にとっ て救世主の再臨に等しい。まして、亡きドルガルア王は熱心なフィラーハ教 の信者でもあった。
 ドルガルア王がそうであったように「民族融和」のスローガンを掲げ戦争放棄を訴えるのは当然のことだよ。

側近
「では、いかがなされますか?

デニム
「力で対抗したのでは司祭と同じだ。教団の指導者に会いに行く!

側近
「まさかっ!おやめくださいっ!万が一のことがあっては・・・!

デニム
「僕一人で、しかも丸腰でいけば大丈夫。きっと話しを聞いてくれるさ。

→Next map is "Vahanna Hights"

■バハンナ高原  鉄紺のウラム (ウィザード)所属:敗残兵

鉄紺のウラム
「このときを待っていたぞ、ゴリアテのデニムッ!
 今こそ猊下の・・・、ガルガスタン軍の恨みを晴らしてくれるわッ!!

鉄紺のウラム<死亡時>
「おのれ、デニムめッ! く、口惜しや・・・・・・。

→Next map is "Castle Brigantes"
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■ブリガンテス城
Which choose ?

→ブリガンテス城南
→ブリガンテス城西
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 ◆父と娘

デニム
「父さん、僕だよ!デニムだよ!

プランシー神父
「デニムか・・・。よく来てくれた・・・。こっちへ・・・。

プランシー神父
「おまえに話さねばならぬことがある・・・。

デニム
「姉さんのことだね・・・・・・?

プランシー神父
「知ってのとおり、カチュアはおまえの姉ではない・・・・・・。
 やつらが言うようにドルガルア王の忘れ形見、ベルサリア王女だ・・・・・・。

デニム
「・・・・・・・・・・・・。

プランシー神父
「カチュアの母親は王妃の次女であったマナフロアという女性だ・・・・・・。



王妃ベルナータ
『・・・私に話しがあるそうね。なにかしら。』

マナフロア
『ベルナータ様・・・。いとまをいただきとうございます。』

王妃ベルナータ
『どうして、急にそんな事を言うの?
 このわたしが宮中において心を許せるの はあなただけなのよ。知っているでしょ?マナフロア。

王妃ベルナータ
『私が気づかないとでも思ったの?』

マナフロア
『・・・・・・・・・お許しを。』

王妃ベルナータ
『所詮、平民出の王には、貴女のような田舎娘がお似合いということね!』

マナフロア
『どうか、お許しを・・・・・・。』

王妃ベルナータ
『誰が許すものですかッ!!誰が、貴女を・・・!
 このまま、一生、私に仕えるのよ! 一生、私の奴隷にしてあげるッ!!いいわねッ!!』

王妃ベルナータ
『あ、貴女、まさかッ!!こ、子供までッ!!』


 こうして城を出た彼女はしばらくしてカチュアを産んだ・・・。


ブランタ神父
『マナフロアはどうだ・・・?』

ブランタ神父
『・・・そうか。
無理もない。衰弱しきっていたからな・・・。』

ブランタ神父
『その娘がベルサリアか。』

プランシー神父
『ベルサリア?』

ブランタ神父
『ああ。王がつけた名前だ。
 女子が生まれたらベルサリアと名づけようといっていたよ。』

プランシー神父
『やはり、王にお伝えすべきではないのか?』

ブランタ神父
『来月にはベルナータ様にもお子さまが生まれるのだぞ!?
 この事を知っているのは俺とおまえだけでいい・・・。』

プランシー神父
『王女はどうする?』

ブランタ神父
『おまえが育てろ。先月、死んだおまえの娘・・・、カチュアといったか・・・、それと取り替えるのだ。』

プランシー神父
『自分の娘として・・・・・・。育てろ・・・と?』

ブランタ神父
『そうだ。それがその娘のためでもあり、ヴァレリアのためでもある。』

プランシー神父
『しかし・・・・・・。』

ブランタ神父
『心配するな。あとはこの俺に任せろ。・・・そうだ。

ブランタ神父
『この首かざりをおまえにやろう。売って金にするといい。』

プランシー神父
『これは・・・?』

ブランタ神父
『王からのたまわり物だ。王子ならその青い方を、王女なら赤い方を、誕生の祝いとして贈るつもりだったのだ。』

プランシー神父
『そんな大切なものを売れるはずもなかろう!』

ブランタ神父
『子供を育てるのには金が必要だ。まして、その娘は王女様だからな。
 ・・・平民出の神父にすぎん俺たちが金を手にするには、こんなことでもせんとな・・・。
 まあ、気にするな。プランシー。』



プランシー神父
「しかし、ブランタはこの私を欺いていた・・・・・・。
 ヤツはマナフロアと王女の一件を使い、王妃に取り入って司祭の地位を手に入れたのだ・・・。

デニム
「・・・・・・・・・・・・。

プランシー神父
「私は・・・、間違っていたと思う・・・。
 王子が亡くなられた時、カチュアを王の下へ差し出していれば、この戦乱が起きることはなかったはずだ・・・・・・。
 しかし、私には・・・、私にはカ チュアを手放すことができなかった。
 『父さん』と呼んでくれる子を手放すことができなかったのだ・・・・・・。

デニム
「父さん・・・・・・。

プランシー神父
「暗黒騎士団はずっとカチュアを探していた・・・・・・。
 それはカチュアをヴァレリアの王にする為ではない・・・。まったく別の目的の為だ・・・。

デニム
「別の目的?

プランシー神父
「そうだ・・・。王女として祭り上げたのは『ついで』にすぎん・・・。
 やつらの狙いはドルガルア王の遺産なのだ・・・・・・。

デニム
「ドルガルア王の遺産!?

プランシー神父
「その正体が何かは分からない・・・。
 ただ、それが王の墓にあることだけがわかっている・・・・・・。
 カチュアを手に入れたやつらは今、王の墓を血眼になって探している・・・・・・。

デニム
「それを知っているのは姉さんだけなんだね?

プランシー神父
「いや、それは違う・・・・・・。カチュアは何も知らない・・・・・・。
 ただ、墳墓の扉の封印を解くことができるのは王の血を受け継いだものだけなのだ・・・・・・。

デニム
「姉さんは利用されている?

プランシー神父
「そうだ。その役目が終わればカチュアはやつらに・・・グホッ、グホッ。

デニム
「父さん、しっかりして!

プランシー神父
「よいか、デニム!カチュアを救ってやってくれ・・・!
 カチュアを助け、この戦乱を終わらせることができるのはおまえしかいないのだ・・・!・・・グホッ!

デニム
「父さんッ!!

プランシー神父
「・・・モルーバ様を捜せッ!
 フィラーハ教の大神官だったモルーバ様を捜すのだ・・・・・・。
 きっと、おまえの力になってくれる・・・。

デニム
「父さん、もうしゃべらないでッ!

プランシー神父
「おのれを棄てろ・・・、大儀の為のいしずえとなれ・・・・・・。
 現実をきちんと見すえて、よりよい選択肢をえらぶのだ・・・。
 おまえは・・・・・・次の世代のために道をつくるだけでよい・・・・・・・・・それを・・・ 忘れるな・・・・・・。

デニム
「父さんッ!しっかり、しっかりしてッ!!

プランシー神父
「・・・デニム・・・・・・すまな・・・い・・・・・・・・・・・・

デニム
「父さーんッ!!!

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 ◆モルーバの娘

デニム
「父さん・・・・・・。

僧侶オリビア
「・・・貴方にお知らせしなければならないことがあります。

デニム
「・・・解放軍と教団の間のことならあとにしてくれないか・・・・・・?

僧侶オリビア
「違います・・・・・・。貴方と司祭ブランタの関係です。

デニム
「僕とブランタとの関係・・・・・・?

僧侶オリビア
「貴方のお父上、プランシー様とブランタは実の兄弟です・・・・・・。

デニム
「なんだって!?父さんとブランタが兄弟ッ!?
 じゃあ、この僕は!!

僧侶オリビア
「・・・貴方の本当の名前はデニム・モウン・・・バクラム人です。

デニム
「ウソだッ!そんなわけあるもんかッ!
 僕がバクラム人だって?・・・ハン!そんなバカなこと・・・・・・!

僧侶オリビア
「落ち着いてください。
 よく思い出すのです。貴方は幼い頃、プランシー様とごいっしょにハイムに住んでいたのですよ。

デニム
「おまえはウソつきだッ!!!

僧侶オリビア
「幼い貴方は、よくモルーバ様のお屋敷に遊びに来ていました。

デニム
「まだ、言うかッ!!

僧侶オリビア
「貴方の相手を務めたのはモルーバ様の娘の四人姉妹だった・・・。

デニム
「!!

僧侶オリビア
「特に仲の良かったのは同い年の娘・・・。
 ある日、水辺で遊んでいた貴方とその娘は、深みにはまってしまいおぼれそうになったわ。

デニム
「どうして、それを!?

僧侶オリビア
「・・・・・・・・・。

デニム
「でも、それは・・・、僕と一緒におぼれていたのは姉さんのはず・・・。
 ・・・でも、僕を助けてくれたのはやっぱり姉さんだったような・・・・・・?

僧侶オリビア
「そのとき、その女の子の額には小さな傷がついたのよ。

デニム
「きみが・・・・・・、そうなのか・・・・・・?

僧侶オリビア
「私たちを助けてくれたのは一番上の姉・・・、セリエ姉さんだった。

デニム
「きみはいったい?

僧侶オリビア
「そう、私は大神官だった父、モルーバの娘・・・。

デニム
「そんな・・・!なら、僕は・・・・・・僕はいったい・・・・・・。

僧侶オリビア
「現実を見つめて。
デニム。貴方はこの現実を受け入れなければならないわ。

デニム
「・・・・・・・・・・・・。

僧侶オリビア
「さあ、立って!デニム!
 貴方が目指している世界は、民族や家柄なんかで差別されるような世界じゃないはずよ!
 貴方がバクラム人であったとしても築こうとしている世界は貴方の理想と同じはずよ!
 それとも、ブランタのようにバクラム人だけが安住できる国を作るつもりなの?
 ・・・お父上の言葉を思い出して!

デニム
「きみの言うとおりだよ、オリビア。僕が何人であるかなんて関係ない。
 問われるのは肌の色や生まれではなく人としての生き方だ・・・。
 ありがとう、オリビア。

僧侶オリビア
「よかった・・・。あなたはやっぱりわたしが知っているデニムだったわ。


<A>セリエ、システィーナが共にいる場合
<B>セリエがいる場合
<C>システィーナがいる場合
<D>セリエ、システィーナが共にいない場合

→Next map is"Mount Hedon"
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■ヘドン山  灰白のルロッツァ (ウォーロック)所属:バクラムヴァレリア国

灰白のルロッツァ
「き、貴様はデニム! どうして、ここにッ!?

デニム
「それはこっちのセリフだ! どうしてバクラム軍がここにいるッ!?

灰白のルロッツァ
「理由を知りたければこのオレを倒すんだな・・・!


灰白のルロッツァ<死亡時>
「貴様の狙いもモルーバか・・・・・・? だったら、無駄足だな・・・・・・。
 今頃・・・・・・我々の仲間がモルーバを・・・・・・捕らえたことだろう・・・・・・
フッフッフッ・・・・・・。


→Next map is"Banhamooba temple"
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■バンハムーバの神殿  魔術師シェリー (セイレーン)所属:バクラムヴァレリア国

魔術師シェリー
「シラを切っても無駄よ。お父様はご存じのはずだわ。

大神官モル−バ
「・・・知らん。知っていたとしても誰がおまえになど教えるものかッ!!

魔術師シェリー
「『おまえ』だなんて、つれないお言葉ね。
 ご自分の娘じゃないの。お母様のように私を見捨てるおつもりね。

大神官モル−バ
「わしは誰も見捨てたりはせん。

魔術師シェリー
「なら、『禁呪』のありかを教えてくださるわね?

大神官モル−バ
「しつこいぞ、シェリー。
 わしが、おまえたちのような者に手を貸すと思うのかッ!

魔術師シェリー
「ふう・・・。らちがあかないわ・・・。
 一緒に来ていただくわよ、お父様。

大神官モル−バ
「な、何をするッ!!

魔術師シェリー
「ハイムに行けば、お父様の考えもきっと変わるわ。

大神官モル−バ
「シェリー、おまえッ!!

魔術師シェリー
「連れていきなさい。
 さあ、引きあげるわよ。


デニム
「モルーバ様、大丈夫ですかッ?

大神官モル−バ
「き、きみは・・・?

デニム
「プランシー・モウンの息子、デニムです。

大神官モル−バ
「きみがプランシーの・・・・・・。

デニム
「さ、話はあとで。ここは僕が食い止めます。

大神官モル−バ
「わかった。
 ・・・あの女を殺さないでくれ。

デニム
「??

大神官モル−バ
「あれはわしの娘、シェリーなのだ。

デニム
「わかりました。

大神官モル−バ
「すまない・・・。

魔術師シェリー
「ルロッツァも役に立たない男ね・・・。
いいわ。私がお相手してあげる。いくわよ、坊や!

<A>セリエが参戦している場合(Cのみ)
<B>システィーナが参戦している場合(N、C)
<C>オリビアが参戦している場合

魔術師シェリー<死亡時>
「か・・・、母さん・・・・・・


魔術師シェリー<HP減少時>
「くッ! おぼえてなさいッ!!


 ◆大神官モルーバ

モル−バ
「・・・そうか。プランシーは神に召されたか・・・。

デニム
「お願いです。どうか、僕に力をお貸しください。

モル−バ
「・・・・・・戦って何とする?
 おまえは枢機卿や公爵のように強大な権力を欲するがゆえに戦っているわけではない・・・。
 しかし、争いは民を苦しめ、民に犠牲を強いるのだ。

デニム
「わかっています。だからこそ、今、争いの火種を消さねばなりません。
 二度と枢機卿や公爵のようなものを出さぬ為にも、争いの道具として利用される要素をなくさねば
 かつて、ドルガルア王がそうしたように僕達は個々の民族を棄て、ヴァレリア人として団結しなければっ!

モル−バ
「亡き王のようにはなれん・・・。
 民が望んでやまぬヴァレリアの救世主が暗黒騎士団の手の内にある限りはな・・・。

デニム
「姉さん・・・・・・。

モル−バ
「カチュアと戦うことができるのか、おまえに?

<選択1>・・・それだけはできません
<選択2>それも仕方ありません

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 ◆ブランタの悪夢
 ドルガルア王が亡くなってからだろうか、それともバクラムの指導者となってからだろうか。
司祭ブランタはよく悪夢を見るようになった。しかも、この1ヶ月ほどはその回数も増え、夜もろくに眠れないほどである。
ブランタは自分の行く末に不安を感じていた。

司祭ブランタ
「・・・ここは、どこだ?

司祭ブランタ
「・・・なぜ、ここにいる?

司祭ブランタ
「誰だッ!そこにいるのは誰だッ!!

司祭ブランタ
「急げだと? なにを急げというのだ??
この私に命令する貴様は何者だッ!!

司祭ブランタ
「あ・・・・・・、なんだと・・・・・・!うわッ!!


司祭ブランタ
「夢か・・・・・・。イヤな夢だった・・・・・・。

バクラム軍兵士
「報告いたします。

司祭ブランタ
「なんだ?

バクラム軍兵士
「禁呪探索に向かわれたシェリー様からの連絡が途絶えました。

司祭ブランタ
「・・・解放軍に敗れたか?

バクラム軍兵士
「子細は不明ですが、おそらくは・・・。

司祭ブランタ
「む・・・・・・、シェリーめ。

バクラム軍兵士
「救出部隊を編制し、直ちにアルモリカへ派遣いたします。

司祭ブランタ
「放っておけ!

バクラム軍兵士
「は?

司祭ブランタ
「放っておけと申しておる。同じ事を二度も言わせるな!
あの程度の任務もこなせぬものなどこのバクラムには必要ない!負け犬なぞ要らんわッ!!

バクラム軍兵士
「ハッ、し、失礼いたしました。

司祭ブランタ
「・・・・・・くそっ。いまいましいッ!!

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