僧侶オリアス
「・・・そうね、ブリガンテスへ戻って兄さんと二人で暮らすつもりよ。
「このハイムに残っても、兄さんが奇異の目で見られるだけでしょ?
 だったらハイムを出ようって。

デニム
「あてはあるのかい?

僧侶オリアス
「アシュトンの近くの小さな山村に私が修業した教会があるの。
「戦禍に巻きこまれていなければ、今でも世話してくださった牧師様がおいでのはず。
「そこなら兄さんも安らかな気分で毎日を過ごせるにちがいないわ・・・。

デニム
「すまない・・・、きみたちをつらい目にあわせてしまった。

僧侶オリアス
「あなたがあやまることじゃないわ。気にしないで、デニム。
「それに兄さん、記憶を少しずつ取り戻しているみたいなの。

デニム
「本当かい!?

僧侶オリアス
「今までは思い出したように、断片的な言葉をしゃべっていたけど、
 最近では、自分の意思で言葉を操り、話そうとしているみたい。

僧侶オリアス
「ね、兄さん。

騎士デボルド
「・・・ありがとう、デニム。
「きみのことを、私は、忘れない、だろう。
「いつか、再び、会える、時を、楽しみに、している。

デニム
「デボルドさんこそ、お元気で。

僧侶オリアス
「さようなら、デニム。

デニム
「さようなら、オリアス、デボルド。



▲ BACK