64 Script "Chapter 3" 
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『目覚め』

 冥煌騎士団の手により魔界の果実を口にさせら
れたユミル王子は、力を得ると同時に冥い感情に
心を乱される。
そこに現れたマーリは、冥い力の暴走も恐れずに、
苦しむユミル王子を優しく包み込む。



トレモス山中


王子ユミル
「何をするッ!!
 …放せッ!

冥煌騎士団員
「お前達ッ、
 しっかり押さえていろッ!

冥煌騎士団員
「大人しくするのだ。
 …すぐに済む。

王子ユミル
「……う…ウゥ…
 あぁぁァーーッ!!

冥煌騎士団員
「…何だッ!?

冥煌騎士団員
「…うッ、…うわーッ!!

王子ユミル
「あぁ……ぁ……
 …うぁ…あ………

侍女マーリ
「……ユミル様…。

王子ユミル
「……マー…リ…?
 …く……来る…な…
「ダ…め……
 …く……なぁーッ…

侍女マーリ
「……大丈夫です…
 大丈夫です、ユミル様…。
「私が傍におります。
 どうぞ心を落ち着けて…

王子ユミル
「僕は…、どうなったのだ…?
 憎しみと…怒りが溢れ…
「巨大な力が…、黒い闇が……
 僕を…飲み込んでいく…。
 ……力を…手にした…?
「…!! …誰…だ…?
 …誰かの記憶が、…誰かの感情が
 僕の中に流れこんで来るッ!
「…違うッ、僕はユミルだッ!!
 ……? …力?
 そうだッ! …僕に力をッ!

侍女マーリ
「そうです、ユミル様…。
 全てを受け入れて……
「それが貴方の力…。
 そして…、この世界は全て…
 全てが貴方のもの…。
「あぁ…、ユミル様ぁ…。
 私は永遠に…
 …永遠にあなたの味方です。


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